怪談ベイス~KAIDAN BASE~
第壱談「牡丹灯籠」
原作 三遊亭円朝
上演台本・出演 峯素子(街の劇)
●第一夜 7/17(水)
第1編「長い因縁の始まり」18:00開演
第2編「恋は盲目」19:30開演
●第二夜 7/29(月)
第3編「別れはふいに訪れる」18:00開演
第4編「悲しみと幸せと」19:30開演
●最終夜 8/9(金)
第5編「思いがけない出会い」18:00開演
第6編「たとえ火の中水の中でも」19:30開演
※いずれも15分前開場
前売1,500円 当日1,800円
※ワンドリンク制
※前売券完売の場合当日券は販売しません
西宮市フレンテホール スタジオf
JR西宮駅下車すぐ 西宮市池田町11-1 フレンテ西宮5F
峯素子(街の劇)
和歌山生まれ、宇都宮育ち。
大学入学後まもなく友人と劇団「完全8度」を旗揚げ。
その後、オリゴ党を経て、一九九六年~二〇二一年まで遊気舎所属。
現在は街の劇という演劇ユニットを立ち上げ、舞台俳優として活動。
また二〇〇七年より俳優中心のインディーズ落語一門《焼酎亭》にも参加、高座名は焼酎亭紅茶。
アントナン・アルトーという二十世紀フランスの演劇人に関する
研究で博士(芸術文化学)の学位取得。演劇は非日常なものですが、日常の延長線上に演劇が存在出来たら良いなと思いながら活動しています。
劇場公演にとどまらず、カフェや市場で演劇をしたり、お寺や居酒屋やデイケアセンターで落語をしたり、街のあちこちに出向いて
「いま」「ここで」起こる演劇や落語の面白さ、迫力をお伝えしたいと日々修練しています。
第一回「長い因縁の始まり」
東京をまだ江戸と呼んでいた頃、寛保三年四月十一日より物語は始まる。
牛込に住む旗本の若侍、飯島平太郎(のちの飯島平左衛門)は、ふとした喧嘩が元で黒川孝蔵という浪人を斬り殺してしまう。
月日が経ち、平左衛門にはお露という美しい娘が産まれ、十七歳になったお露は二月の梅の花見で美貌の浪人萩原新三郎に出会い、ひと目で恋に落ちる。しかしお露も新三郎も奥手で、そのあと会うことが叶わない。
三月のある日、平左衛門の元に黒川孝助という若者が武家奉公をしたいとやって来る。孝助は父の仇を討つために剣術を教えて欲しいと平左衛門に頼み込むのだが、父の仇とは誰あろう平左衛門その人なのであった。そうとは知らぬ孝助は、主人飯島平左衛門を慕い、忠義を尽くす。
そして七月二十一日の暑い夜、平左衛門の妾お国が情夫の宮野辺源次郎と共に主人暗殺計画を立てているのを、孝助は聞いてしまうのだった。
第二回「恋は盲目」
飯島平左衛門の娘お露は、美貌の浪人萩原新三郎に一目惚れし恋患いの末、死んでしまう。新三郎は友人の医者、山本志丈からそのことをを聞き、毎日部屋にこもってお経を唱え供養をしていると、七月十三日のお盆の夜更け、偶然家の前を通りかかったお露と再会した。死んだというのは嘘だと聞き喜ぶ新三郎とお露は恋仲となるが、ある夜、新三郎の店子の伴蔵がお露を目撃すると、驚いたことにお露は骸骨、幽霊なのであった。
幽霊に魅入られた新三郎は、新幡随院の良石和尚に助けを求める。
一方、平左衛門の家来黒川孝助は主人暗殺計画を知り、どうやって阻止しようかと悶々としている。そんな忠義一途の孝助に婿入りの話が持ち上がる。自分たちの悪だくみを知られたお国と源次郎は、なんとかして邪魔な孝助を陥れようとするがうまく行かない。
カランコロン。
幽霊となったお露は新三郎逢いたさに伴蔵の元を尋ねて来る。伴蔵は、事もあろうに幽霊に取り引きをもちかけて・・・。
第三回「別れはふいに訪れる」
平左衛門が仕事で留守の七月二十四日の暑い夜、金百両が盗まれたことに妾のお国が気付く。孝助を陥れたいお国は、孝助を百両を盗んだ犯人に仕立て上げ翌日帰宅した平左衛門に告げ口するが、孝助は頑として認めない。お国と対立する孝助はとうとう平左衛門に手打ちにすると言われてしまうが、本当は孝助の忠義を信じている平左衛門が百両を見つけたと嘘をつき、事なきを得る。
さて幽霊に取り引きをもちかけた伴蔵は百両と引き換えに、良石和尚から授けられたお守りの仏像を盗み、お札をはがし、新三郎の家に幽霊が入れるようにしてやる。
八月三日の夜、いよいよ主人暗殺計画の実行が翌日に迫り、孝助は主人平左衛門の命を守るため、お国と源次郎を殺して自分も切腹しようと決意する。そのことに気付いた平左衛門は、今こそ孝助に“父の仇”を討たせてやる時だと思い・・・。
第四回「悲しみと幸せと」
翌朝、伴蔵とその妻お峯、そして同じ店子の人相見、白翁堂勇斎が萩原新三郎の様子を見に家へ行くと、そこには幽霊に取り殺されたと思しき新三郎の姿があった。伴蔵とお峯は悪事が露見するのを恐れ、中仙道の栗橋へと逃亡する。
八月四日の明け方、黒川孝助は、婿入り先の相川新五兵衛の家で、主人飯島平左衛門の書置きを読んでいる。
若かりし頃、孝助の父黒川孝蔵を斬り殺したこと、だからいつか父の仇として討たれてやろうと思っていたことがつづられている。そして自分はお国と源次郎に殺されるだろうから、今度は二人を“主人の仇”として討ち取って欲しいと書いてある。
孝助は、その日のうちに相川の娘お徳と祝言を上げ、相川孝助という侍となり、翌朝逃げたお国と源次郎を追って仇討ちに出立する。
翌年四月、伴蔵とお峯は栗橋で荒物屋を開き繁盛していたが、偶然にもお国と出会い、伴蔵は再び悪事に手を染めて行く。
第五回「思いがけない出会い」
伴蔵の女房お峯はもはや邪魔者となり、伴蔵に斬り殺されてしまう。七日後、荒物屋ではお峯の亡霊騒ぎが起こる。そこに連れてこられたのは、萩原新三郎の友人であった医者の山本志丈。志丈は伴蔵の悪事に加担し、二人は新三郎から盗んで隠しておいた仏像を掘り出しに江戸へ帰る。
仇討ちに出立した孝助は、お国の故郷であり生き別れの母の故郷でもある越後の村上へ行くが、お国の行方も母の行方も知れぬまま一年が経ち、主人飯島平左衛門の一周忌法要のために一旦江戸に戻って来る。新幡随院で法要をした後、孝助は住職の良石和尚から予言めいた助言を受ける。
曰く「火に入って焼けず、水に入って溺れず、精神をきわめて進んで行きなさい」。
翌日、孝助は助言に従い人相見の白翁堂勇斎の元へ向かう。
そこで思いがけず、生き別れた母と再会するのであった。
第六回「たとえ火の中水の中でも」
なんとお国は、孝助の生き別れた母おりえの義理の娘で、源次郎ともども宇都宮にある母の家にかくまわれていた。
孝助は母の助けを借りて宇都宮まで来るが、お国と源次郎を追い詰めたと思った矢先、母の翻意で二人を逃がしてしまう。実の息子と義理の娘の板挟みになった母おりえは自害し、その代わりにお国と源次郎の逃げる道を孝助に教える。
孝助は果たして主人の仇討ちを為し遂げることが出来るのか。
長い因縁の結末や如何に!
【主催】西宮市フレンテホール(指定管理者 日本管財・文化律灘・HA2B共同事業体)
【共催】西宮市